2019年9月7日土曜日

ジュリア


昼さがり
夏のような暑さに戻った
こんな日には
ちょっと
パンチが効いたぐらいの
アーリオオーリオ
ってカッコつけて言ってみたが
いわゆるペペロンチーノ
ニンニクのかおりとタカノツメのピリっ
が欲しくなる

オイルが残った口に
暑い日だからこその
ホットコーヒーをはこび

カップをカチャッと置くのと同時に
カギをジャラッと置く音が
隣のテーブルから耳に届いた

飴色に使い込まれたレザーの手帳の横に
放り出された
そのカギを差し込むマシンが
とんでもなくイカしていることは

アルファに詳しくないオレでもすぐに感じ取れる程
アルファのロゴが渋く輝く使い込まれたカギも
そのカギの持ち主のご婦人も素敵であった

そのご婦人はひとりでふらり現れ
カギをテーブルに置くのと
イスをもう片方の手で引くのと同時に
パスタとホットコーヒーをオーダーしながらの着席
着席と同時に手帳を開くと
手帳を支えている別の手で
テーブルに置いたカギをはじに寄せ
その手を戻しながらグラスに注がれた水を口に運んでいた

さらりとカッコよい人じゃないとただせっかちな行動が
このご婦人の優雅な一連の動きに
目を奪われた
たまには
こんな言い回しにさせてもらおう
勝手にイタリアの昼下がりをあじわったような
気持ちになったから

そして
やはり外に出て

そのマシンの美しさに目を奪われた
後で知ったのだが
そのマシンは60年代の
アルファロメオ・ジュリアというマシンだった
ネーミングまでサスガです

サイコーにかっこいい輝きは
やはりエイジング

だな


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